ガソリン価格はどう決まる?
車を所有している人は、ガソリンを給油する際に、少し前より高くなった、安くなったと価格を気にされている人も多くいると思います。
では、ガソリン価格はどのように決まるのでしょうか。
まず、ガソリンが精製される原油はどこからやって来るのでしょう。

日本の原油輸入元(石油統計2014年:万㎘)
1位 サウジアラビア 6,301
2位 UAE(アラブ首長国連邦) 4,870
3位 カタール 2,162
4位 ロシア 1,637
5位 クウェート 1,419
日本は、約83%を中東から輸入しており、中東依存が高くなっています。
余談ですが、社会を維持するために欠かせないエネルギー資源を常時確保し国内に供給し続けるためには、産油国への経済協力など国際協調が欠かせません。
では、ガソリン価格の内訳はどうなっているでしょう。
ガソリン価格の内訳
▶ 原油価格(CIF)
▶ 企業コスト(精製費、輸送費、販売管理費など)
▶ 揮発油税 48.6円
(固定で租税特別措置法により増税されている。本則は24.3円)
▶ 地方揮発油税 5.2円
(固定で租税特別措置法により増税されている。本則は4.4円)
▶ 石油石炭税 2.54円
(地球温暖化対策の課税の特例が設けられ段階的に引き上げられている。2016年からは2.8円)
▶ 消費税 8%
税金の内訳をみると約半分が税金になっています。
ガソリン価格が130円未満だと税金の割合が5割以上になります。
また、消費税はすでに賦課されている揮発油税、地方揮発油税および石油石炭税にもかかっているので、Tax on Tax(二重課税)になっています。
因みにアメリカではガソリン価格の税金比率は12.5%程度です。
ガソリン価格は原油の国際価格の影響を受けます。
それでは、ガソリンの価格に影響する原油の国際価格はどの指標を参照にしているのでしょうか。
日本のガソリン価格はドバイ原油を参照している。
テレビなどでよく見るWTI(ウエスト・テキサス・インターメイディエント)をはじめ、北海ブレンド、ドバイ原油を国際的な原油取引の際はマーカー原油として取引されています。
日本のガソリン価格は、この中のドバイ原油を参照しています。
このドバイ原油の変動がガソリン価格に反映されます。タンカー輸送や原油精製などによる時間差があり、国際価格の変動が店頭に波及するまでは2~4週間程度かかります。
石油元売りのガソリン価格は1週間から2週間前の原油価格(CIF)で判断しているとみられます。
また、原油はドルベースの取引のため為替レートの影響を受けます。
日本は輸入しているため、原油価格が下がっていたとしたとしても、為替が円安ドル高になると原油価格の変動幅を打ち消してしまいます。
ガソリン価格は、「ドバイ原油価格の変動」と「為替の変動」が影響しますので、ガソリンを入れる際の参考にすると良いでしょう。