投資信託の『信託報酬』って何?

販売手数料は購入時にかかる手数料ですが、投資信託は購入後も手数料がかかります。
投資信託の保有者が、投資信託の運用・管理サービスの対価として負担する費用を、「信託報酬」として投資信託の申込みから換金または償還までの間に負担し続けることになります。
この信託報酬について詳しく見てみましょう。
信託報酬
管理手数料とも呼ばれ、投資信託の運用に関する手数料で、投資信託の基準価額に対して一定の率として投資信託の資産から自動的に差し引かれる手数料です。投資信託運用会社への運用報酬、受託信託銀行の管理報酬、販売会社(証券会社)の販売代行業務に対する報酬の三つが含まれ、保有し続ける間ずっとかかります。
長期投資をいていく上で、常に必要となるこの手数料はかなり大きなコストとなります。
投資信託を比較するとき、この信託報酬は見えにくいコストかもしれませんが、販売手数料よりも重要だと私は考えています。
この信託報酬の金額はファンドごとに定められており、どの証券会社(銀行)で購入しても手数料は同じです。
信託報酬は目論見書で確認することができます。また、運用会社のホームページや投資信託の比較サイトなどでも確認することができます。
信託報酬は毎日かかる
信託報酬の計算は毎日行われます。例えば、年間の信託報酬が2%の投資信託があったとします。この場合、日割りされ1日あたり0.0055%の信託報酬が毎日、純資産(投資信託全体の財産)から引かれます。
具体的には、投資信託は価格が変動する商品を扱っていますので、ファンドの時価(純資産額)を毎日値洗い(決算)して、その純資産に対して毎日信託報酬が課せられることになります。
例えば、投資している投資信託の時価総額が120万円だった場合の信託報酬は66円、110万円だった場合の信託報酬は61円となります。
ただし信託報酬は、毎日基準価格から差し引かれています。そのため、実際に投資家がその負担を意識することはほとんどありません。新聞などに提示されている投資信託の価格は既に信託報酬の額を差し引いたものとなっています。
つまり、10,000円の基準価格の投資信託ががあったとして、投資先の株価等が全く変動しなかった場合、毎日0.0055%ずつの元本が減少していく計算になります。
運用実績に関わらず信託報酬は毎日かかります。
ノーロード投資信託も販売手数料はかからないだけで信託報酬はかかります。
ちなみに、各運用会社が発行している投資信託ごとのマンスリーレポートなどには実際に徴収した信託報酬の金額が明記されますので、そちらを参考にしましょう。
このように、信託報酬は保有している間かかりますので長期になればなるほどこの信託報酬の差が自身の運用成果にも現れてきます。
信託報酬以上のパフォーマンスを運用会社が上げなければ、必然的に資産は目減りしていくことになります。
最近では、世界的な低金利政策の流れから、組み入れ銘柄より信託報酬の方が高い投資信託などもありますので、しっかり内容を確認してから投資を行いましょう。
次回は、信託財産留保額についてみていきます。
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