超低金利下での『個人向け国債』の魅力とは?

日本銀行がマイナス金利政策を発動してから、各メディアが各金融機関の金利を取り上げるなど今まで、銀行の預金金利やその他の金融商品にあまり敏感ではなかった人たちも気になる話題になったのではないでしょうか。この超低金利の中、『個人向け国債』の魅力も高まってきているのではないでしょうか。今回は、この個人向け国債についてみていきたいと思います。
個人向け国債とは
国債とは国の発行する債券です。(債券についてはこちら👉をご覧ください。)
個人向け国債は、個人の国債保有を促進するために導入された商品で、個人の方が購入しやすい仕組みになっています。
変動10年・固定5年・固定3年の商品があり(2016年3月3日現在)、1万円から購入でき中途解約もできます。利子は年2回受け取れます。
最低金利保証がある
この超低金利下で個人向け国債の魅力が高まっているひとつは最低金利保証があるということです。
固定5年・固定3年はもちろん、変動10年にも0.05%(年率)の最低金利保証があります。
従来、国債は市場で売買されその時の市場の価格によって利回りが変動しますが現在のような市場環境(3月3日16:59現在、3年-0.2%、5年-1.8%、-0.02%)でもこの最低金利より下がることはありません。
よく、定期預金と比較して購入される方がいらっしゃいますが、3月3時点での定期預金金利(1年)は、メガバンクなど店舗を構えた銀行は0.025%以下で、ネット銀行はオリックス銀行で0.2%ですがその他ネット銀行は0.5%以下、前にもお伝えした地方銀行のネット専用支店ではトマト銀行のももたろう支店で0.25%(100万円以下)となっています。(金融機関によっては新規預け入れを停止している商品もあるので要確認。)今後、さらに定期金利が下がっていくようであれば、個人向け国債の金利は魅力的になってくるのでしょう。
中途換金しても元本割れしない
そしてもうひとつの魅力は、中途換金しても元本割れしないということです。
発行後1年経過すれば直前2回分の各利子(税引き前)相当額×0,79685が差し引かれ、いつでも中途換金できます。
従来、国債は中途換金したい場合は市場で売却しなければならずその時の価格によっては元金を下回りますが、個人向け国債は国が買い取る仕組みのためこのような元本割れせずに中途換金することができます。
いま、他の金融商品の金利と比べて個人向け国債を購入したとしても将来金利が上がれば、固定5年や固定3年を購入していた場合は、他の商品の方が金利が高くなっているということも十分に考えられます。そのような状況でも1年経過していれば元本割れせず中途換金し他の商品へ資金を移すことが可能です。
このように、個人向け国債には投資家の利便性を図ったしくみになっていますが、その分通常の国債より金利が低く抑えられています。
ただ、個人向け国債は安全性の高い商品の中でも、現在のような市場金利が個人向け国債の最低金利保証を下回っている状況下では金利面で魅力的な商品になっているでしょう。また、将来、市場金利が上昇していった場合でも途換金できるため流動性という面からも魅力的な商品になっているのでしょう。