骨折しただけで給付金がもらえる保険はあるの?

生命保険文化センターの平成27年度生命保険に関する全国実態調査では、全世帯の、全生保の生命保険の世帯加入率(個人年金保険を含む)は89.2%、 民保(民間の生命保険会社)は78.6%となっています。民保に加入している世帯で、医療保険・医療特約の世帯加入率は91.7%となっています。
現状では全世帯の72%、民間の生命保険に加入している世帯であればほとんどが、入院や手術に対しての医療保障の為に保険を掛けているということになります。
基本的には、医療保険では入院や手術を伴わなければ給付金をもらうことはできません。骨折して病院にいって治療をしてもらっただけでは対象外です。しかし、特定損傷特約を付加していると骨折をして病院で治療しただけでも給付金をもらうことができます。
特定損傷特約とは
交通事故やスポーツ中事故など不慮の事故で、骨折、脱臼、腱の断裂で治療を受けた場合に受け取れる給付金です。基本的には、不慮の事故の発生から180日以内に治療した場合が対象となります。
一部の会社では熱傷や永久歯の喪失での治療でも給付金をもらえます。
給付金は一回につき5万円もしくは10万円で、保険期間中に通算10回まで、同一の不慮の事故についての給付金は1回限りでという保険会社が多いです。
特定損傷特約の世帯加入率は28.0%となっており、医療保険加入・医療特約の加入率に比べても低いです。
どうしてでしょうか。
理由は様々あると考えられるがそもそも特約を付加できる保険会社が限られます。
日本にあるすべての保険会社がこの特約を付加できるものではありません。取り扱っている保険会社は、日本生命、第一生命、明治安田生命、三井生命、フコク生命、ジブラルタ生命、アフラックなどで一部の生命保険会社です。
また、特定損傷特約に限ったことではありませんが、そもそも現状の日本の医療保障制度下では医療保険を掛けるのではなく貯蓄をしたほうが良いという考え方もあります。
ケガが心配で...こどもに対する保障は必要か
こどものケガが心配でこどもに医療保険を掛けている親もいますが、民間の医療保険に加入する必要はないと考えます。こどもの医療費には都道府県が助成をしているうえに、市区町村が上乗せの助成を行っているところもあり、自己負担はかなり抑えられています。例えば、東京23区では、ほとんどの区が小中学生の医療費負担について、自己負担分をゼロとしているほか、保護者の所得制限もありません。 つまり、多くの区では、小中学生の入院、通院が無料となる。自治体によって助成内容は異なりますが、基本的にこどもの医療費に対する保障は必要ありません、保険を掛けるなのであれば、貯蓄をする方がいいでしょう。
しかし、それでも心配という方は共済も選択肢になります。全労済のこくみん共済、都道府県民共済、コープ共済など各共済にはこども型の共済があります。掛け金も月々1,000円程度で掛けられます。さらに割戻金もあるので実際の掛け金の負担額はもっと安くなります。民間の生命保険会社では必要最低限の経費を補うために会社ごとに最低保険料を設定している為、安くしようとしてもそれ以下には保険料を安くすることはできません。
各共済の中では、全労済のこくみん共済のキッズタイプ・キッズワイドタイプが、期間中一回ではありますが骨折・腱の断裂・関節の脱臼で保障されます。骨折や脱臼が心配で保険を掛けたいならこくみん共済もいいのではないでしょうか。
私は貯蓄した方が良いと考える
医療保険・医療特約や特定損傷特約に加入する際は、高額療養費などの医療保障制度や医療費の助成などを考えたうえで、本当に必要か、どの保障が必要なのか、また貯蓄するのと医療保険に加入するのとどちらの方がいいのかを検討した上で加入しましょう。